2015/10/19

派遣先で役立つ情報

【海外から物品を購入する】
国内の所属があれば国内の科研費と一部の助成金がとれ、国内の所属機関の会計を通じて購入できます。購入時の支払い方法は、国内の業者であれば振込、海外の業者や現地のショップ(アマゾン含む)であればクレジットカード払になると思います。何十万円も立替えるのは辛いので、国内の所属機関に法人カードを作成してもらうと消耗品や外注、論文出版時に便利です。ただし、航空券や食費が含まれる学会参加費などには法人カードは使えない場合が多いです。また、備品は、海外に持ち出せない場合や派遣終了後に国内機関に持ち帰らないといけない場合があります。PCやカメラなどの高換金品も、派遣後に持ち帰らないといけない場合があります。派遣先の装置の改良品は購入できます。派遣先の設備利用費やビザ申請料、海外旅行保険料も支払えることがあります。ローカルルールが多数あるので詳細は所属機関に聞いてみてください

会計処理方法は国内・海外の所属機関でも同じです。①業者に見積依頼→②オンラインで財務会計システムに記載→③ボスの承諾→④大学の会計処理→⑤納品の流れです。③~⑤は大学が行ってくれるので、①②が終われば荷物を受け取るだけです。海外では①で3つ以上の業者の相見積が必須の場合があり、多くの日本の業者は見積時間が長いので要注意です。②を秘書さんやScientistの方が行ってくれる時もあります。国内の所属から購入する場合は、②を行うのにセキュリティ上VPN(詳細は下記)を利用する必要があります。また、⑤で署名済み写真(pdf)を所属機関に送るなどの証明が求められます。荷物が届いたら、まず写真を撮りましょう。

試料を送る場合は、FEDEXのアカウントを作っておくと便利です。オンラインで送付先などを記載後に印刷し、荷物と一緒に配達場所や秘書さんに持っていけば②だけ済みます。アマゾンで書籍やソフトウエアを買ったり、近くのショップで消耗品を買った際も②だけです(レシートは要保存)。一般的に見積には航空輸送費・関税は含まれておらず、日本からの送料が十万円することがあるので事前に確認しておくのがお勧めです。また、輸入時に税関から物品内容を聞かれることがあります。例えば、加工用ダイヤモンドを宝飾品に分類すると、納期が数週間伸びてしまうので要注意です。

米国企業の製品を日本の研究費を使って米国の大学で使いたいとき、直接米国企業からクレジットカードで買える時と、日本の仲介業者から日本の所属大学への振込払いで買わないといけない場合があります。後者の場合、米国企業→日本の仲介業者→日本の大学に納品→米国の大学という過程になるので、納品に非常に時間がかかるので要注意です。最悪の場合、日本では買えた米国製品が米国で買えなくなることもあります。摩訶不思議。

日本の研究費の多くは、5月始まり2月終わりです。3・4月は何も買えない場合があるので、計画的に物品購入・出張を行いましょう。


【VPNを利用する】
日本国内の所属で、海外に出張している時、またはその逆の立場の時、学内・社内ネットワークが利用できずに困る場合があります。VPNというシステムを使えば、学内・社内掲示板でも安全に見ることができます。中継する大学・会社側は、誰がVPNを利用しているか把握しており、すぐに遮断することができるので一般的に使用できるシステムです。VPN用ソフトは、SoftEtherを始め、多数あります。

VPNを使えば、国内に閲覧が制限されている論文を読めるし、オンラインで出張手続きができます。実験データを直接自分のPCに取得することもできます。また、自宅から会社のネットワークに繋げられるようになります。子育て時や天候不良で公共交通が使えない時でも、在宅ワークができます。さらに、中国出張の際も、VPNによりgmailなどを使えることができます。

SoftEther VPNの接続方法


【国内に電話する】
国内のホテルを予約したり、クレジットカードの契約や大学に連絡する際に電話する時があります。そんな時は、SkypeなどのIP電話が便利です。1500円課金しても、1分10円なので結構話せます。半年に1度以上使っていれば、ずっと繰り越されます。家族などの他のアカウントに課金額を分けることもできます。

ウェブ会議にはWebEXが便利です。Skypeよりも高速・高画質です。有料ですが、ホスト側が登録されていれば受け手側は無料で使えるので、派遣先の大学で契約されているか確認してみてください。

海外から日本に電話する方法